サマーウォーズの里 信州上田探訪 Part 2

探訪日:2009/08/22-23

※本項目は映画公開当時の2009年8月に執筆したものです。現在とは状況が異なる記述が多々ありますので、ご理解の上お読み下さい。

信州上田探訪 Part 1に引き続き、2日目の模様をお伝えします。


◆朝 (別所温泉周辺)
8月23日日曜日・上田探訪2日目。
「上田わっしょい」再放送を見ていたせいで若干寝不足気味ですが7時前には起床。
首都圏では平気で熱帯夜なご時世でしたが、高原の朝は涼しいどころか最早寒いw
これからの時期気温は下がる一方なのでちょっと注意が必要かも。

朝食を戴いてから宿を出発。
別所温泉周辺に劇中に登場したポイントはありませんが、昨日押せなかった「別所温泉駅」と「北向観音」、2つのこいこいMAPスタンプポイントが存在するのでそれらを巡るところからスタートします。

まずは宿から駅へ向かう途中にあった北向観音へ。
 
正式には北向山常楽寺と言うそうで、寺院は通常は南向きに作られるのに対し、このお寺は長野市の善光寺と向き合うように北向きに作られているから「北向観音」と呼ばれているのだとか。都合良く手元に方位磁針があったので持ち出してみたところ、確かにだいたい北を向いていました。

お参りしたあと本堂に設置されているスタンプを押してミッション完了です。


ところで聖地巡礼がもてはやされる昨今、巡礼先に神社仏閣が有るとそこには巡礼者の描き残したアニメキャラのイラスト入り絵馬、通称「痛絵馬」が奉納されるというのが定番ネタになっておりますが・・・・
案の定ここでも発見されましたw

「カズマは俺の嫁」とかwwwwwwww
描いたヤツ、ちょっと来いwwwwww
絵馬掛けのほぼ中央部で堂々と異彩を放っており、朝から爆笑しましたw
ちなみにざっと見た感じではこれ以外にサマーウォーズ絡みの絵馬は無し。やっぱり直接関係有る場所じゃないからかな。
しかし佳主馬の人気はどこいってもムダに凄まじいなw


北向観音を見終えたら別所温泉駅へ移動。8:25発の電車で上田駅へ向かいます。
その前に昨日押せなかったスタンプを今日こそ・・・と思ったんですが、またしてもスタンプ台が無いことにより押せないという事態に。
いや、予想はしていたんですけどね・・・
別所温泉駅は9:00~17:00の間限定で駅員が配置される駅なので、昨晩無かったって事はきっと9時を過ぎないと出てこないだろうと思っていたんですが、やっぱり。
この間に行かないとスタンプは押せないようです。

しょうがないのでスルーして上田駅を目指します。
やってきた電車はまたしても「まるまどりーむ」号ではないヤツ。
上田駅到着したらそのまま撮影というわけにもいかないか・・・

しかし、あの写真を撮らずしては帰れまい!(何)
というわけで本気で「まるまどりーむ」号をストーキングすることにしました(何)
手元には上田電鉄HPにある全列車の時刻表が有るのでそれを活用。
途中すれ違うであろう「まるまどりーむ」号が時刻表上のどの便であるかを一度特定してしまえば、あとはその電車が何時何分に上田駅または別所温泉駅で折り返すかを追いかけるだけで、今日一日の「『まるまどりーむ』号上田駅発車時刻表」のできあがり。
路線の構造が単純な小規模の路線だからこそできる芸当ですなw
というわけで上田へ向かいながら行き違い電車に注意していると、ほぼ真ん中にある下之郷駅で「まるまどりーむ」号と行き違い。
早速時刻表を追いかけて、上田駅にこの電車が入線する時刻を全て把握することが出来ました。

こういうのは時刻表より「ダイヤグラム」が有ると便利だな、と現地で思ったので・・・せっかくだし作ってみました(何)
適当にご活用下さいw

図中青、黄、赤の線がそれぞれ一つの編成に対応しています。どの線が「まるまどりーむ」号になるかは日によって違うみたいで、8/23(日)は黄色の線でしたが、8/22(土)は別所温泉へ向かうときにすれ違った時間から考えて青の線に相当します。
グラフ上端の「上田」の部分に横向きの線が書かれているところが上田駅に列車が止まっている時間を表しますが、見ての通り「まるまどりーむ」号が青の線のダイヤで運行されている日は9時半過ぎのを逃すと次は16時前まで来ないのでちと厄介。黄色か赤の日なら一日中約1時間半弱おきに狙えるんですが。
まぁこればっかりは運ですねー。
幸いこの日(8/23)は黄色の線で運行の日ってことで、撮影のチャンスは何度もある模様。市内を適当に見て回りながら上田駅近くに戻ってきたタイミングで捕まえれば問題ないかな。


◆ドライブ開始・・・の前に (2日目の探索目標)
電車は9時前に上田駅に到着。
今日はこれから、ツーデーパスについてくる駅レンタカーSクラスを1日2000円で利用できる特典を活用し、車を借りて市内各所のちょっと遠いところを巡ろうと思います。上田駅の駅レンタカーは「お城口」を出て右、イトーヨーカドーのすぐ隣です。
早速車を借りて・・・と思ったんですが、Part 1でも書いたとおり、イトーヨーカドー前のサマーウォーズ応援コーナーに設置のテレビでは、ちょうど上田行政チャンネルと思しき、サマーウォーズの舞台が上田である旨を紹介する番組が放映されていました。開店前にもかかわらずw

その番組、しばらく見ていたんですがかなり詳しいというか最早マニアックと言っていいレベルで劇中の画面と現実の上田の景色を比較していたので思わず見入ってしまったんですがw、そしたらその映像で初めて知った情報もちらほら。
Part1で書いたバスの話なんかまさにそうですね。
それから陣内家に飾られている甲冑のモデルが「真田宝物館 蔵」ってなってたことも初耳。あの甲冑のモデルが真田昌幸公のものだってことは上田市のサマーウォーズサイトでも紹介されているので知ってたけど、上田城や上田市博物館では展示されていないらしいとの情報も聞いていました。
じゃぁどこにあるの?って気になっていたんですが、これでやっと手がかりを掴めました。
しかし「真田宝物館」と言われても、事前調査してた段階で名前を見た覚えがない。そこで現地で携帯からネットに接続して色々調べてみたら・・・長野市松代?!
このページにちゃんとモデルとなった「昇梯子の具足」が写真入りで掲載されてますね。
流石に松代は遠いので今日は保留です・・・

ちなみに上田市真田には「真田氏歴史館」と似て非なる名前の記念館があるようですw
伊勢山のちょっと先だから興味ある人は行ってみると良いかも?

さて今回の探訪。「こいこいロケ地マップ」に紹介されている場所はほとんど上田駅、別所線各駅、バス停のいずれかから徒歩で行かれる距離にありますが、敢えて車を借りたのには訳があります。
それは、ロケ地マップで紹介されていない、マニアックな場所が見つかったらいいと思ったから。
しかしそういった場所はマニアックであるが故に探すのは困難の極み。となるとアテもなく走り回るしかないんですが、そうすると同じ時間でも距離を稼げる車が有るとありがたい。という考えでレンタカー利用となりました。
無免許のため運転できない僕に代わって運転主役を引き受けてくれたむさくんにはホント感謝です。


ただ、走り回るにしても流石に完全に何のアテもない状態で走り回るのも不毛なので、一部地点については多少の当たりを付けてから行きました。
一つめは健二が翔太に「逮捕」されて警察署へ向かう途中、この先60kmの大渋滞にハマって「なんで青なのに動かねーんだよ!」ってなってたところ。ガイドブックではP.40中央にあるカット。
P.41にある解説や小説版でこの通りが「国道18号線」であることが明らかにされているので、もう少し手がかりが有れば場所を特定できそうだと思ってよく見てみました。まず目に付くのは左の手前に「この道路は震災時車両通行止めになります」的な事が書いてある看板ですが、その奥には出光のものと思しきガソリンスタンドが有ることも見て取れます。
震災時通行止めの看板はともかく、出光の看板が確認できるのは心強いです。こういう実在の商標そのもの、もしくはそれを元にしたものが登場すると舞台特定の大きな手がかりになってくれるので大変重宝します。細田守作品の逆ロケハンでは右に出る者が居ないあの方々も最近WEBアニメスタイルでの連載で言ってました(何)

というわけで早速上田市にある出光のスタンドを検索。
すると、国道18号沿いには上田駅のすぐ近くと、上田菅平IC近くの18号線バイパス上に1つ有るのみ。
これは早くも特定か?と思ったんですが、現実はそんなに甘くない。
前後の場面カットを見てみると、国道の周りの景色はとてものどかな田園風景。
しかし、上記二つのスタンドがある辺りは、かたや駅前=市街中心部、かたや高規格のバイパス沿い。Yahoo!地図の航空写真を見ても、およそ田園風景とは言い難い位置に有ることが分かりました。
田園風景という意味では、地図下方の下之郷駅南部にあるスタンドや中央右、東隣の東御(とうみ)市との境付近にあるスタンドの方が近いかもしれない。
となるとどれも可能性があるな・・・と言うことになったので、とりあえず全部巡ればいいんじゃね?と言う結論に至りました(爆)
幸い数も多くないし距離も大したことないので何とかなりそうです。


二つめは小説版から。
小説版では栄おばあちゃんの家へ向かう道のりが映画本編と異なり、別所線を降りたあと「豊里局前」からバスに乗り「陣内前」で下車した、という設定になっています。
「豊里局前」ってことは「豊里郵便局」があるハズ、と思って調べてみたら、上田市内に豊里郵便局というのが確かに存在することを確認。
小説なので景色そのものが出てきてない上に劇場版と違う設定になってはいるけど、こうしてわざわざ実在の地名が使われたということは、ロケハン時には訪れている可能性も考えられますし、どこか全然別の場所という設定でそこの景色が使われている可能性も否定できません。
となれば行くしか有りません(何)
これまた幸いそう遠くないし、さっき調べた出光のスタンドのひとつへ行く途中にちょっと寄り道すれば行かれるような場所なので大した手間でもありません。

というわけで最低限この2件については回ることにし、あとは道中で偶然何か見つかったら嬉しいな、と思って今回のレンタカー利用が決定されました。


◆ドライブその1 (丸窓電車資料館、国道18号線の風景探索など)
前置きが長くなりましたが、車を借りて上田駅を出発します。
まず向かうのは丸窓電車車内のロケ地として「こいこいロケ地MAP」に掲載されている「長野計器丸窓資料館」。
こいこいMAPでは別所線沿いの適当な位置にさらっと書かれていますが、実はここ、駅からだと結構遠いです。
バスも有るには有りますが本数が少ない上に、日曜祝日は全便運休のため使い勝手は悪すぎます。
こういうときレンタカーならそんなのは関係ないので悠々と向かえていいですねw

駅を出たらすぐ左折。千曲川に掛かる上田橋を渡り、国道143号線をしばらく走ります。
ここで早速出光のスタンド第1弾を確認。
別所線三好町駅近くにあるスタンドですが・・・まぁ、見ての通りまだ街中の風景で、全く異なりますね。

元々位置的に全く期待してませんでしたがw

そのまままっすぐ進んで赤坂交差点を左折します。
この交差点の近くに「麺工房 陣内」って店があって盛大に噴きましたwwww

読みが「じんない」と明記されていたけど、上田でこの名前はおいしすぎる(何)

赤坂交差点からは県道65号線を道なりに。別所線下之郷駅を過ぎ、結構由緒ある神社らしい生島足島(いくしまたるしま)神社を通過。更に道なりに進むとだんだん「田園風景」と呼べる景色になってきます。
するとその先に出光スタンド第2弾。
ここは航空写真的には割と畑が広がっていたので、もしや?と思っていたところなんですが、実際は道沿いに結構家が建ち並んでいて×。スタンドの看板も形が違います。

ものすごい無理矢理撮った写真だけど、違うからいいや(何)

このスタンドを越えたら左折し県道82号へ。県道という割にはそこらの生活道路並みの太さで本当に合ってるのかって感じでしたが、奥へ行くとちゃんとした道になっていましたw
ちなみにこの道の途中には「富士山(ふじやま)」という地名がありますw


そんでこの道を道なりにしばらく行くと、右手に見えてくるのが目的地である「丸窓電車資料館」に到着。
長野計器という圧力計・圧力センサーの専門メーカーの工場の前にあります。
 
そんな場所にあるのは、かつてこの工場の前を現在は廃止となってしまった上田丸子電鉄(※今の上田電鉄の前身)西丸子線が走っていたからだそうで。丸窓電車に使われている圧力計も実は長野計器製だったとかそういう縁もあるのかな?

上田駅からの所要時間は約25分で9:40に着いたのですが、開館は10時からでまだ開いていませんでした。
とあるサイトでは夏期は9時からという情報もあったけど、今はそれやってないみたいですね。
現地の案内という一番確実な情報源によると、平日は10:00~11:30と12:50~15:00、日曜は10:00~15:00の通し営業で、土曜日と祝日は休館となるそうです。
日曜に来たのはたまたまだけど正解だったみたいですね。

外の写真を撮りながらしばらく待ってたら係の人がやってきて、まだ10時まで少し時間あるけど空けてくれたので早速入場。
こいこいマップによると写真撮影OKと書いてあったので早速色々撮ってみましたw
中に入るとここにもサマーウォーズポスターがwww

スタンプポイントではないですがここにもこいこいマップが置かれてました。

さて何はともあれまずは目的の写真撮影から。
こいこいマップにあるような写真が撮れるのは一番奥。反対側が展示コーナーのショウケースになっているので全く同じ構図で撮るにはその上にカメラ置いて撮らないといけないので結構大変です。
軽いコンパクトデジカメならいいけど、一眼レフみたいに重いカメラ使ってる人はショウケース傷つけないように何か引いてその上に載せましょうね(何
そんな風に数回頑張って撮った写真がこれ。

構図合わせることもさることながら、窓の外からの光が強いせいで逆光状態になってしまい、自動露光するとこういう暗い写真になるという、どこまでも厄介な撮影ポイントでした(爆)


写真撮って気が済んだのであとは普通に見学。
中にはこの電車が現役時代に走っていた上田電鉄別所線や、昭和40年代まで上田周辺に走っていた西丸子線、丸子線、真田傍陽(そえひ)線に関する展示がなされています。
他にも丸窓電車が製造された昭和2年当時の上田周辺の店の広告とか、長野計器が製作し、台湾の新幹線(台灣高鐵)の車両で使用されてる圧力計とか、長野新幹線が開業する前に走ってた信越本線特急あさま号の行き先表示とか、いろんな物がが小さい車内にずらりとあって、鉄道ファンとしても結構見ごたえがあります。
上田周辺には今や別所線しか残っていないけど、昔はかなりあちこち線路が張り巡らされていたんですね。
昨日行った伊勢山にも昔は電車が通っていて駅もあったようです。「真田傍陽線」って、そういえば昨日乗ったバスの路線名は「真田線」または「傍陽線」だったっけ。

気が済むまで見たら再び移動開始。小説に名前の出てきた豊里郵便局と、その近くにある出光のスタンドを見に行きます。
県道82号→県道169号→国道152号と走ってしなの鉄道大屋駅前で右折。一応県道指定はされてるけどとても細い道を上がって国道18号に入り、一旦上田市を抜けて隣の東御市に入ります。
途中入るべき道を通り過ぎたりしましたが何とか県道483号に入り、下大川で県道79号へ。「栗林西」というなんともおしい名前の信号(何)から「浅間サンライン」を通り再び上田市に戻ってくると、すぐのところにあるのが目的の出光。
そこの景色はこんな感じ。

見ての通り周りの景色はとても田園風景でそれっぽいんですが、看板の形が違いました。
そもそも周りに信号無いしな。

そのままさっさと通り過ぎ、芳田を左折。県道176号をしばらく行くと次の目的地豊里郵便局。
ここはあくまで小説版で「豊里局前停留所からバスに乗った」と書いてあるだけなんですが、それでも行ってこそ真の巡礼者ってもんです(何)

景色はこんな感じ。
左右に開いた「指定方向外進行禁止」の標識が細田守っぽいですがそれは「時をかける少女」です(何)
サマーウォーズ的には特に見覚え有る感じでもなく。
近くにバス停も存在しましたが、「豊里局前」ではなく周囲の地名と同じ「町吉田」でした。

正直なんでここの名前が小説版には出てきたのか、気になるところですねw

ここも早々に切り上げて次へ。
次は位置的に最も怪しいと思っていた国道18号バイパス上の出光を見に行ってみることに。

県道79号を道なりに進んだあと一般道へ入り込み、古里で浅間サンラインに復帰。起点にあたる住吉南から18号バイパスに入ります。
入ってから目的のスタンドまではすぐ。
そこのスタンドは・・・

おおっ?それっぽ・・・・い?
ガイドブックP.40のカットをよく見てみると、出光マークが一番上にあって、その下に白地に赤文字で文字が書いてあるという点がちゃんと一致します。
そしてその画像を更によく見てみると、その文字はこの写真と同じように「宇佐」と読め・・・なくもない?(何
確証は持てませんが、今まで見てきたスタンドの中では最も劇中の画像に近いスタンドだと思います。
さらに奥に見える山並みも似ているような・・・
ただ予想してたとおり道の雰囲気はとても「田園風景を走るのどかな国道」とは言い難いもの。新たに造られたバイパスだけあって高規格な道で街路樹まで植わっちゃってます。
そしてそもそも信号が無いですしね。

これだけ見てきて完全に一致する場所がないと言うことは、健二を乗せた翔太の車が渋滞で足止めされてたあの景色は上田市内のいろんな地点からパーツだけ持ってきて、演出家によって作り出された景色、ということになるんでしょうかね。
そのパーツの一つがこのスタンドだった、と。
となると他のパーツがどこなのかが気になってきますが、流石にそれは探すのは厳しいですなw

ちなみにこのあと18号バイパスをほぼ終点に近い上塩尻東交差点まで走り抜けてみましたが、景色は全線通してこんな感じでした。



◆市街探訪 (上田城、太平記館、まるまどりーむ号など)
9時に上田駅を出発してから左向きに渦を巻くように走ってきましたが、だいぶ市街中心部に近い場所まで戻ってきたのでここで一旦車による探索は中断することに。上田城の下にある観光駐車場に車を止め、昨日行き残した中心部のスポットを徒歩で巡ることにしました。

その駐車場の裏がまずいきなり登場スポット。
これも実は朝イトーヨーカドー前のテレビで見た番組からの情報なんですが、伊勢山バス停からおばあちゃんの家へ向けて上がっていくとき見える石垣は、観光駐車場付近からの景色なんだそうです。
確かに駐車場の裏手には立派な石垣が見えるので近寄ってみると・・・

ホントだ!
ガイドブックP.15左上端の画と比べてみると、下の方に大きな石で出来た石垣があり、その上には草が生えていて、草の後ろは細かい石が積まれてる、という構造がぴたりと一致しました。

っていうかあの番組ホント何だったのwww数分見ただけで初見の情報3つって何w
なんて強力すぎるサマーウォーズ舞台探訪者の味方。行政チャンネルのサイトとかでオンライン公開してくんねーかしらw
まぁそもそも行政チャンネルの番組かどうかすら確証無いんですがね。

駐車場から石垣を回り込むように進んでいくとけやき並木の遊歩道に出ます。

この歩道、道幅と言い奥に見えるアーチ型のガードのサイズと言い、いかにも線路跡っぽいな。丸窓資料館にあった昔の路線図にも上田駅からお城の下辺りを通って伊勢山・真田方面へ向かう路線が書かれていた気がするし。
とか思いながら歩いていたんですが、その予想は当たりでした。
ここは元々上田城のお堀だった場所だそうですが、昭和3年に線路が引かれ、電車が走っていたそうです。
その線路も昭和47年には廃止され、今はこうして遊歩道として活用されている、とのことです。
さっき見えたアーチの下には、よく見ると架線を通した跡が今でも残ってますね。

そしてこのアーチのすぐ手前、上へ上がっていく階段があるところは公園前駅の跡だったらしいです。

階段を上がると観光会館近くの道。↑のアーチ橋を渡ると上田城です。

この上田城は真田正幸によって築城され、万助じーちゃんが熱弁していた二度の「上田合戦」の舞台になった場所。
サマーウォーズ的には陣内家の正門のモデル、ってのは周知の事実ですね。
現在は二の丸より内側が上田城址公園として整備されており、無料で開放されています。
国史跡、長野県宝に指定されている櫓への入場のみ有料で、大人250円、高校・大学生が180円、小中学生が60円。入場券は公園内に併設されている市立博物館と山本鼎記念館と共通です。
真田太平記館、信濃国分寺との5館共通券というのもあり、こちらは大人500円。大人料金の人は上田城と太平記館へ行くだけで元が取れますが、高校・大学生は上田城、太平記館のみだと別個に買った方が安くなるので注意です。

さてまずは登場地点から。
城の本丸の入口に当たる「東虎口櫓門」は、ご存じの通り陣内家の正門のモデルとなった場所です。

おお!ホントにその通り!
確かに陣内家の正門ですね。
こんなのが個人宅の入口にあったらそりゃ健二でなくても「何これ」って言ってしまいますw

ちなみにこの櫓門、両側の櫓は昔からあったものだそうですが、ふたつの間をつなぐ部分は比較的最近になって復元されたものだそうです。
櫓と櫓門の内部は上記の通り有料で公開されており、少しではありますが甲冑をはじめとする真田家など歴代城主に関する展示があります。
ちなみに、これも前述の通りですが、ここに展示されてる甲冑は陣内家にあったヤツそのものではないです。


櫓門の先、本丸には細田監督達がヒット祈願をしたという「真田神社」があります。

そういえば絵馬を見てくるの忘れたけど、ここにも痛絵馬有ったんだろうかw


こちらは同じく公園内にある上田市立博物館

こぢんまりした博物館ですが、中世以降の上田郷土の歴史に関する史料が展示されており、第一次/第二次上田合戦の史実についても詳しく解説されてるので見に行く価値はあると思います。


一通り見たら次へ移動。
池波正太郎真田太平記館へ。
ここでもスタンプを押しまして、と。

この記念館は「真田太平記」を執筆した池波正太郎の作品を展示する記念館。
正直なところ僕はこの人が書いた「鬼平犯科帳」の名前を知ってたぐらいで、「真田太平記」は今回初めて聞いたというようなレベルなので、展示の中身についてはふーんとしか思えませんでしたけど(爆)


ここを見終えたらいい時間になったので駅前のそば屋でお昼。信州だけあってここ上田もそばが名物で、駅の観光案内所にそば屋マップなんてのが有ったのでそれを参考に探しました。
本当はサマーウォーズ記帳ノートの助監督の書き込みにあった「刀屋」に行こうと思ったんですが、そのマップによると日曜定休だそうなので敢えなく断念。

ちなみに実際入った駅前のそば屋にもサマーウォーズポスターが貼ってあり、先客には明らかにサマーウォーズ探訪で上田に来たと思しき集団が居ましたwww


食べ終わったら時刻は13:35。朝突き止めた別所線の今日の車両運用から考えると、13:46発の別所温泉行は「まるまどりーむ」号で運行されるはず。
時間もちょうどなので急いで上田駅の別所線ホームへ。
すると・・・そこにはちゃんと「まるまどりーむ」号が!

これで無事全く同じ構図で写真を撮ることが出来ました。
ホームの掲示板にはその写真の元画像が掲示されてるので、キャプ画持ってくるの忘れても大丈夫です(笑)
よく見るとこの電車、劇中とは型式番号が違い、「7255」になってますね。劇中では「7555」でした。
しかし反対側に行ってみたら劇中に出てきたのと同じ「7555」が。

編成の向きが前後入れ替わることは普通無いので、作画の時に何らかの理由で入れ替えられたんでしょうね。


ちなみにご存じの通り劇中での行き先は「別所温泉」ではなく「角間温泉」。
実際は別所温泉とは上田駅を挟んで正反対の位置に当たる真田地区の山奥にあります。
この角間温泉は古くから知られた温泉地で、かつては文化人の来場が多いことでも知られていたそうです。
そんな文化人の一人が、昭和初期の女流作家・林芙美子。彼女は第2次世界大戦中、この角間温泉へ疎開していたそうで、現在その時住んでいた家が林芙美子文学館として公開されています。
そして疎開後に移り住んだのが東京都新宿区の中井。細田守ファンならもうお気づきでしょうが、その家こそ「時をかける少女」で主人公真琴の家のモデルとなった家です。現在は林芙美子記念館として公開されてるところですね。
さらに、この林芙美子という人が子ども時代を過ごしたのは広島県尾道市ですが、ここは細田監督が時かけを作るに当たってイメージの下敷きにしたという大林宣彦版「時をかける少女」の舞台。
細田作品と林芙美子。こうも微妙に絡んでくるのは単なる偶然なんですかね?



話をサマーウォーズ探訪に戻しまして。 折角「まるまどりーむ」号が来たので、フリー切符も持ってることだしこの電車に乗って適当なところまで行ってみることにしました。
ついでに中の写真も撮影。

劇中に出てきたのは資料館のではなくこっちの方ですね。

時刻表によると下之郷で上田行きと行き違うみたいなので、その2つ前にある神畑駅まで行ってみることにしました。

列車待ちの間神畑駅周辺を少しだけ散策。
サマーウォーズに直接登場した訳じゃないけど、この田園風景の雰囲気はとてもそれっぽいね。
 
 

8分待って折り返し上田行きに乗車。
上田に戻り、市内観光再開です。

次に向かったのは「幻灯舎」。

信州上田フィルムコミッションの展示スペースで、喫茶も併設されてます。
現在はサマーウォーズを注力展示中。
中に入るともう壁一面サマーウォーズだらけですwww

スタッフの方に聞いたら展示物の「複製」にならない程度になら写真撮っていいよと言われたので引きの構図でw
さすがエンディングテロップに名前を連ねてる団体だけあって、ここの展示はかなり充実してます。
左の壁は画面カット、右の壁は設定画が展示されており、どちらもかなりの数です。
それからここでしか見られないものとして、左側の棚の上にはロケハン写真そのものが置かれており、手に取って見られるようになってます。
必見なのは左の壁の上の端に展示されてる、1987年に上田高校が実際に甲子園に出場したときのペナントですかねw
そういえば劇中では「24年ぶり甲子園出場」って言ってたけど、1年ずれてね?

さてこの設定画。見てたらスタッフの方が色々解説してくださったのですが、お話を伺うと細田監督のロケハンに対するこだわりというのがとてもよくわかってちょっと感動しました。
設定画の中には陣内家の縁側や屋根の上から見える景色が描かれている物があるんですが、その中には「烏帽子岳」「小牧山」のように上田の近くに実在する山の名前が正確に設定されていました。
それだけでも驚嘆に値すると思うんですが、それが陣内家の設定位置が砥石山になった理由とも絡んでいたってのがまたすごい。
まず一つに、陣内家のモデルが真田一族であるため、その真田の城が置かれた砥石山が選ばれたという経緯があるようですが、もう一つ、上田の盆地を囲む山である烏帽子岳と小牧山、両方の山を同時に見られる場所という理由もあったらしい、とのこと。
デジモンアドベンチャー劇場版 光が丘探訪でアグモンの足取りを実際に追うことができたあたりから、細田監督のロケへのこだわりようはただごとじゃないなと思っていたんですが、今回もやはりロケハンに基づいて緻密に練り込まれた設定が隠されていたようです。


なお上田市は映画のロケを積極的に誘致しているようで、サマーウォーズ以外にもたくさんの映画やドラマ、CMなどのロケ地になっているそうです。その数なんと年間約100本!3日に1回ぐらいはどっかで何かやってる計算になりますw
ここ幻灯舎には、それらに関するも写真や資料も置いてありました。
そんな中に一つ、なんか見たこと有るような建物の写真を発見。スタッフの方曰く、「学校の怪談」とかいろんな作品で使われた廃校になった小学校だそうです。現地ではそれで納得してたんですが、その映画自体は予告編ぐらいしか見ていないのでそんなに印象に残ってるとも思えず、やっぱり気になって調べてみたら・・・
新海誠「雲のむこう、約束の場所」の学校だ!
どおりで見たこと有るわけだ。探訪された方のページも以前見たわ。(USO9000さんのサイト)
場所は別所線舞田駅から歩いてしばらくのところにある旧西塩田小学校。
今は私立の通信制高校の校舎としても使われているようですが、古い木造校舎があるため、多数の映画のロケに使われているようです。最近のだと「わたしは貝になりたい」とか。
事前に知ってれば行ったのになー。しまった。
また来年行くか(何


幻灯舎を見た後は車に戻り、再び市内遠方の探索に乗り出します。


◆ドライブその2 (別所温泉駅、伊勢山再訪、でんき館)
遠方探索再開とは言っても、もうアテのある場所はほぼ巡り尽くしたので適当に景色見ながらドライブするようなもんですが。
でも最低限行っておくべき場所が一つ。こいこいMAPにスタンプ押せんかった別所温泉駅w
というわけで、今度は別所線ではなく車で別所温泉駅を目指すことに。

上田橋を渡って朝と同じ道を通り、さっき別所線のまるまど号を降りた神畑で右折。県道177号をひた走ると20分ちょいで到着。
道の方は少しショートカットしてるとは言え電車より速いのねw


時刻は15時半過ぎ。駅係員配置時間内なので今度こそは!と思っていったら、予想どおり確かにスタンプ台が設置されていました。

こいこいマップは品切れてたけどw
スタンプラリーのスタンプの他、朝はなかった観光スタンプも置かれてました。やはり駅員配置時間帯にしか押せないみたいです。
なにはともあれこれでやっとスタンプラリー完成!
「何かがそろう」とあったけど、これはまた確かにサマーウォーズらしいものを揃えてきましたね(何)
何が揃ったかは・・・行った人のお楽しみって事にしておこうw



さてこれにて巡ろうと思っていた場所は完全に巡りつくしました。
ここからは特にアテがあるわけではないですが、時間の猶予はあと2時間ぐらいあったのでその間、何かそれっぽい景色が見つかればいいなと思いながら、遠回りしたり寄り道したりしつつ上田市内を走り回っていましたが、まぁ流石にそんな簡単に当たりを引けるわけもなく(何)
ガイドブックP.2~3の見開き写真の地点とか見つけられたらめっちゃうれしいなと思って出る前に航空写真睨んでピックアップした室賀地区という結構奥の方まで行ったりもしましたが、特に収穫はありませんでした。
でも別所から室賀へ向かう途中の県道82号から見た塩田平の景色は、サマーウォーズという作品の持つイメージととてもよく一致するものでした。
室賀の辺りも山あいの長閑な農村って景色で良かったし、何というか癒された感じですw
折角なので美しい塩田平の風景をお楽しみ下さい(何)
  
  

この辺は室賀地区。
  
 



その辺を回ってもまだ時間があったので、最後に砥石山の駐車場だけ再訪。
昨日より空気が乾燥していたため、駐車場付近からでも市街地が綺麗に見渡せました。

そしてさっき幻灯舎で見た「烏帽子岳」などの文字を参考に改めて景色を確認。
カーナビの地図で見るとこの駐車場からは真東より若干北に見えるらしいけど、この辺ので合ってるんですかね?

中央より若干左よりの一番高い山?
幻灯舎の人も三角形の山とか言ってたし。確かに名前的にもそんな感じだろうしw
にしてもこうして色々知った上で改めてみてみると、この映画は上田の景色の印象を本当によく再現してるよね。
これで巨大な入道雲でも現れたらそのままポスターに使えそうだw



伊勢山の景色を堪能したらもう今回の探訪の旅も終了。
駅へ戻って車を返し、後はもう帰るだけ・・・なんですが、最後にまだ少しだけ時間があったので、最後のシメに上田でサマーウォーズを上映している「上田でんき館」を冷やかしに行くことにしましたw


駅から徒歩6~7分。大通りから右手に入った路地に広がる「本町」という地区の真ん中付近にあります。
 
やはりというかなんというか、ここもサマーウォーズ仕様w
地元が舞台の映画は扱いが違いますね。サマーウォーズだけポスター2枚だしw
今回の旅行を計画してる段階ではここで見ていくのも良いなと思ったときもありましたが、流石に時間の都合上断念しました。


これにて本当に全行程終了。
駅へ戻って新幹線で上田を後にしました。


◆まとめ
今回のサマーウォーズ上田探訪。
媒体が映画なので、今まで他の作品でやってきたような場所はもちろん構図もぴったり合わせて写真を撮る、というようなことはできないのでそういう視点で考えると収穫としては微妙なんですが、満足度で言ったらもう文句なしですw
やはり一番大きかったのは、「緑の山並みと真っ青な空、それと白く巨大な入道雲のコントラスト」という、「サマーウォーズ」という作品を強く印象づける景色が実際にそこにあった、というところに尽きます。
そしてもう一つ、舞台である上田市が町を挙げて「サマーウォーズの里」を盛り上げていこうと頑張っていて、ファンに対してとっても歓迎ムードだったのもすごく良かった。
いつもの舞台探訪みたいに、アニメ本編とは全く関係ないその場所の「日常」を見るのもそれはそれでいいけど、やはりこうしてイベント展開してくれると「サマーウォーズに登場した場所としての上田」を見ることが出来るので作品のファンとしては嬉しい限りです。単純に自分が気に入った物がこうして好意的に扱われてると気分がいいってのもあるしねw
っていうか街中すごかったですよ。どこ見てもサマーウォーズ関連の何かが有ってww
ここまでのレポでもいくつか紹介してますが、そんなのごく一部です。通りを歩くと・・・

交差点にもサマーウォーズ。

アーケードにもサマーウォーズ。

城址公園にもサマーウォーズ。

本屋にもサマーウォーズ。

ギフトショップにもサマーウォーズ。

市役所にもサマーウォーズ。

薬局にもサマーウォーズ。

格子戸の古い町屋の鍼灸院にもサマーウォーズ。

ブティックにもサマーウォーズ。

漆器仏具屋にもサマーウォーズ。

ブラウスのラッキーにもサマーウォーズ。

メガネ・補聴器のヤジマにもサマーウォーズ。

もうほんとあらゆる場所にサマーウォーズwww
サマーウォーズファンとしてやってきた僕らをこんなにも大歓迎してくれた上田市の皆さんには感謝ですw

そんな上田市ですが、何か来年もイベント企画中らしい
サマーウォーズ劇中の日付は2010年7月29日(木)から8月1日(日)の4日間。即ち、来年
更に言うと劇中に出てきた「上田わっしょい」は毎年7月の最終土曜日に開催されると決まっているものらしい。
ということは、劇中と同じく、本当に平成22年7月31日(土)に開催されるってこと。
それに合わせて上田市では、つい先日「サマーウォーズ2010実行委員会」が組織され、2010/7/29~8/1を「サマーウォーズデイ」と銘打ち、映画に登場する場所を巡るプランを旅行会社に提案したり、細田守監督を招いての特別上映会などを企画しているとのこと。→信州Live on うえだnaviブログ

これは行くしかないじゃないですか!
日付までぴったり合わせて探訪できるんだよ!
本当に上田わっしょい有るんだよ!
29~30は平日だから流石にムリかもしれんけど、31~8/1は土日だよ?!
その上今年以上にイベント満載だよ!!
ここまでされて行かなかったらサマーウォーズファンの名折れです!!(何)


というわけで、来年夏、「サマーウォーズの里」信州上田へ再訪予定、いや「確定」(何)
上田の皆さん、よろしくお願いしまぁぁああ──す!!!

サマーウォーズ舞台探訪シリーズ
東京都内編信州上田 Part1信州上田 Part2番外編

更新履歴
初回記入:2009.09.09
サイドバー設置:2015.07.03