探訪日:2011/07/17(名古屋)、2011/08/12(都内)、2011/08/19(名古屋2回目)、2011/09/10(東伏見)、2011/10/29(名古屋3回目)、2011/12/04(恋ヶ窪)
2011年7~9月にフジテレビ系ノイタミナ枠で放送された「うさぎドロップ」。
いかにもノイタミナらしい雰囲気でわりとお気に入りのこの作品ですが、別件で京都と名古屋へ旅行しようとしていた前々日に放送された2話を見ていたら、なんか見たこと有る景色と電車が。
これ名古屋じゃねーかwww電車も「東山線」とかモロに書いてあるしwww
こんなことになったら、もう行くしかないじゃないですか!www
なのでバタバタと慌ただしく特定作業をしてみたのですが、これが意外と見つかりまして。流石に全地点特定というわけにはいきませんでしたが、土地勘の乏しい場所に遠征する割にはそこそこ満足できる量を探訪できたように思います。
その後も回を重ねるごとに新たな舞台が登場し、かなりの地点を見つけることが出来たので3回にわたって名古屋探訪を行いました。
というわけで、うさぎドロップ探訪をお届けします。
この作品の舞台は作中では「多須市」ということになっていますが、これは名古屋市内の「大須」が元になっていると思われます。
上記の通り名古屋の景色が多く登場していますし、2話で出てきたりんの母子手帳にも「愛知県名古屋市」の文字が書かれているのを一瞬だけですが見ることが出来ます。
しかし全て名古屋の景色を元にしているのかというとそうではなく、エンディングにも記載されているとおり、りんの通う保育園のモデルは東京都内に存在しています。また街並みの一部も都内各地にあることが判明。作中では角を一つ曲がった先に有る景色も、実は名古屋から東京西部に大ワープしてたなんてことも有りましたw
登場する地点は以下の通りです。
・名古屋 国際センター
・名古屋 ユニクロ名古屋栄店
・名古屋 名駅付近の高層ビル
・名古屋 市営地下鉄各駅
・名古屋 大吉の会社
・名古屋 大須小学校周辺
・名古屋 大須のアーケード(万松寺通り、仁王門通り)
・名古屋 円頓寺本町商店街
・名古屋 大須公園
・名古屋 富士浅間神社
・名古屋 裏門前公園
・愛知環状鉄道
・東京都内 三鷹
・東京都内 某所
・東京都内 東伏見稲荷神社
・東京都内 ジョナサン東恋ヶ窪店
ユニクロに服を買いに行くシーンの前に登場した街並み。これはおそらくこの地下鉄国際センター駅の前と思われます。高速道路が走る通りの角に、屋上に看板を掲げている白いビルが有るのが決め手。ただ、ビルの形も横断歩道の様子も微妙に異なっているので、断言はできない感じ。保育園帰りの夜のシーンに登場した似たようなカットも、ユニクロ前のカットとはビルの形が違うので別の場所っぽいんですが、街灯だけはそれっぽいのがこの場所にありました。
大吉とりんが服を買いに来たユニクロ。名古屋一の繁華街・栄の松坂屋近くにあるユニクロがモデルです。さっきの場所はだいぶ改変されてる気配が有りますが、ここはどんぴしゃ。ただし、作中では周りを大きな通りに囲まれてるように描かれてましたが、実際はわりと細い通りなので、作中のようなアングルで撮影するにはかなりの広角レンズが必要になるのではと思います。
ちなみに、店内の様子は全く異なっていました。かなり細かく描かれて居たのでどこかに実在するとは思いますが、名古屋ではないかもしれないですね。そういう場合の定番は製作会社の近くなんですけどねww
服やらふとんやらの買い物を終えたシーンで出てきた名古屋の高層ビルを眺めたこのカットは名古屋駅の南にあるマックスバリュ(イオンタウン太閤ショッピングセンター)の前から撮影できます。決め手は高層ビルの向きと配置と、右下に見える「AEON」をもじった「KON」のロゴ。これら全てを満たすのはここしか無いと思います。手前のビルをクローズアップしつつ奥の高層ビルを4本とも同じ画面に収めようとしたためなのか、作中では右端のビルが少し左にずらされているようでした。また、左端2本(JRセントラルタワーズ)の手前に描かれているビルについても一部実在しないものが増やされているようです。対応する位置に空き地もあったので、取り壊されて現存しないものも一部はあるかも知れませんが、ビルの描かれている位置にかなり古びた建物が建っている箇所もあった(=昔はあったというわけではない)ので、演出上増やしている部分もあるのかと思います。
大吉がりんの保育園送り迎えと通勤に使ってた地下鉄の各駅もちゃんと名古屋に存在してました。ただし、いろんな場所から摘み食い状態なので特定するのはなかなか大変でした。作品を素直に見ていると、黄色い帯の電車に乗ってるし、よく見ると明記されてるカットもあるので「東山線」の駅なのかなと思ってしまいますが、実際には東山線のホームではありませんでした。以下詳しく解説します。
まずは地下鉄のシーン最初に出てきたこの階段。これは完全に一致する場所は見つけられませんでしたが、この階段がかなり似ていました。
これは名古屋駅の西中改札から桜通線ホームへ降りる階段。
作中カットを見ると東山線(黄色のロゴ)と桜通線(赤のロゴ)が表示されてるので、両路線の交点、即ち名古屋駅か今池駅なのかと推測できます。また、光線の具合と、看板には行き先ではなく路線名が書かれていてさらに「↓のりば」という文字も見て取れることから、地上から改札口へ降りていく階段であるとも考えられます
ということでまず名古屋駅を探してみましたが、ここは東山線と桜通線のホームが若干離れているためか、地上の入口では全て「東山線乗り場」「桜通線乗り場」と別個に案内されていたため、そこにはないと判断しました。
そこで、その先入観を無くして、看板の記述も無視して階段だけを基準にして探してみたところ、改札内のここに行き当たりました。
この場所は階段を見下ろすと左にエスカレーターがあって、途中に踊り場もあり、そこの点字ブロックの配置も一緒。看板の位置とその先の天井が斜めに下がっている点と壁面タイルに茶色の部分があるという構造が完璧に一致しますので、階段の元ネタについてはここで間違いないものと思われます。
最初に調べた名古屋駅で早速ここを見つけてしまったので、今池駅の方はほとんど調査していませんが、駅毎に何となく異なるデザインの感じをみる限り、このようなデザインの階段は無いのではないかと思われます。
ただ、「↓のりば ■東山線 ■桜通線」の看板については、全く同じデザインのものがもしかすると今池駅のほうにあるのかも、という可能性はまだ残されています。
続いて、大吉とりんが電車を待っていたこのホーム。
これも単純に考えれば東山線のどっかの駅で、話の流れと合わせると名古屋駅ホームということになるんですが、行ってみたら全然違いました。
そこでキャプ画をよく見てみると左側の駅名標やホーム壁に刻まれたラインにどちらも青色が使われていることに気づきます。このテの色は路線カラーが使われているのが普通なので、黄色の東山線で青というのは違和感があります。名古屋の地下鉄でラインカラーに青が使われているのは鶴舞線。というわけで、まぁとりあえず都心部だけでも各駅巡ってみれば分かるでしょう、と思い、名古屋から東山線に乗って、鶴舞線との接続駅である伏見駅へ行ってみました。
すると・・・
あ、なんかいきなり正解だったwww
これはもう比較してしまえば一目瞭然ですね。対向式ホームで線路と線路の間の柱は黄色、ホームの柱は金属製で、写真では見づらいですが壁には手がかりにした青色のラインもちゃんと入ってます。細かいところでは看板に描かれた矢印の方向や一番右手前の銀色の柱上部に非常列車停止ボタンの位置を示す表示があり、その下には落下物拾得器の格納箱(?)が付けられてるところなんかも全て一致します。この場所見つかったときはちょっと嬉しかったですねw
ただ、他の向きはピッタリ一致とはいきませんでした。
このとおり、色々と齟齬が残ります。街並みの方でもそうだったので、この作品は結構現実の景色を改変して背景画を描くタイプの作品のようですね。
ちなみに東山線の車両はこれ。
これはこれで結構ちゃんと描かれています。
さて最後に同じ検証過程で、大吉が会社から保育園へ急ぐシーンで出てきた階段も特定してみましょう。このカットでは、止まっている電車こそまたまた黄色の東山線ですが、ホーム壁のラインは赤色です。そもそも、東山線の電車が止まってるホームから伸びる階段に「↑東山線」って書いてあるわけはないんですw
ということでこれは桜通線ホームで間違いない。だったらあとは、乗れば分かりますね(何 というわけで、乗りました(何)
元々今回名古屋をうろつくのには、名古屋市営地下鉄でいわゆる「乗りつぶしの旅」をしようという意図もあってのことだったので、一日乗車券を購入しているためどれだけ乗っても変わりませんしw
その結果、またしても名古屋駅でこれが発見されました。
例によって看板の内容は一致しませんが、看板のある位置とか壁のデザインとかはちゃんと一致してますのでここで間違いないでしょう。
何度も登場している割にはなかなか手がかりの無かった大吉の勤める会社も名古屋市内で発見されました。場所は地下鉄丸の内駅近くのオフィス街。作中ではアパレル関係の会社であるような描写が多々ありましたが、実際にここにある「八木兵」という会社は衣料品を中心に取り扱う卸商社みたいです。原作を知らないのでそちらで大吉がどういう会社に勤めているかという点がどう描写されているのか知りませんが、原作通りにしろアニメオリジナル設定にしろ、背景モデルとなった場所とその会社の業種がちゃんと一致させてあるってのはこだわりすぎww
りんと大吉が家に帰るときよく通る坂道。この場所は初回探訪時には未特定だったのですが、回を重ねてヒントが増えていったら名古屋の大須に有ることが分かりました。
坂道があるのは伏見通りの西側、大須小学校と西大須公園の間です。ただ作中で描かれてるほど急な坂ではないですし、パーツの配置もかなりいじられているので、実際現地へ行くと印象的に微妙・・・作中では結構印象に残るようなシーンで使われているだけに、探訪者としては残念でなりませんw
で、この坂道沿いにある大須小学校というのが、6話でりんとコウキくんが通い始めた小学校そのものだったりします。作中でも「多須小学校」で、Google検索掛けると自動で「大須小学校」の検索結果にリダイレクトされるレベルなので、特定は非常に楽でしたw 坂道も小学校が見つかったからこそ見つかったってのが実際のところですw
なお小学校ですので、もし探訪を考えられている方は細心の注意を払ってください……ってのは、うさドロ見てる人なら言わなくても当然分かってますよねw 不審者だと思われて防犯用のホイッスル鳴らされるなんて事態には絶対にならないようにお願いします。
商店街のシーンもたびたび登場しますが、これのモデルも名古屋の大須周辺。さっきの小学校とは伏見通りを挟んで反対側のエリアは広大なアーケード街が広がり、名古屋有数の繁華街となっています。東京の秋葉原、大阪の日本橋と共に電気街&オタク街としても有名だったりしますw
うさドロで出てくるのは大須の商店街のウチ、
春子が一人で歩いてたシーンについては、前回探訪したときは仁王門通りかと思っていたのですが、名古屋の方からコメント頂いて判明。大須からは離れた
よく見ると商店街のフラッグは作中に描かれているものは、モデルが大須の景色でも全てこの円頓寺のものみたいですね。
公園のシーンは再び大須に戻り、万松寺通りの北側にある大須公園です。
りんが風邪を引いた回で登場した方の神社は名古屋の大須にありました。大須観音と本町通(門前町通)の間あたりにある富士浅間神社がそれです。
最終話(11話)でりん達が縄跳びの練習をしていた公園、これも名古屋の大須にありました。これまで巡ってきたエリアから少し北、矢場町方面へ行ったところにある「裏門前公園」です。富士山の遊具が大きな特徴の公園です。
大吉の実家へ行くときに電車に乗るシーンが登場しますが、その電車のモデルは岡崎から豊田市を通って高蔵寺とを結ぶ「愛知環状鉄道」の2000系と思われます。車両の形と色、さらには内装もは結構正確に再現されているようです。
同じ2000系でも作中と違う緑色の帯の電車もあり、そちらの方が多いのですが、今回乗りに行ったら運良く青帯のに乗車することが出来ました。ただ、青帯のものの中でもさらに内部がセミクロスシートタイプのものとロングシートタイプのものがあるようで、今回来たのは残念ながらセミクロスシートタイプのモノ。なので内装写真は今回有りません。これもまた次の機会を設けないとなあw
あとこのキャプ画の風景が車窓から見えないかなと思って景色を凝視していたんですが、それっぽいところは見あたらない?まぁ今回は八草→高蔵寺と一部区間しか乗っていないので、高蔵寺~八草間にこんな景色有るのかも知れませんけどね。
うさドロの舞台は名古屋だとばかり思っていたのですが、なんと東京都内にも背景モデル地が存在していることが分かりました。6話で出てきた桜並木の道。この交差点のモデルは三鷹駅付近の玉川上水沿いにある「けやき橋西」交差点でした。制作会社のProduction I.Gは三鷹にスタジオを構えているのでそのせいでしょうかね。
6話でりんとコウキが一緒に登校するシーンで出てきた、「忍者が通るような」細い路地。これも名古屋ではなく都内に存在していました。入ったところから出たところまで、この路地の中はそこそこ位置関係が保たれたまま、景色の方もかなりの再現度で描かれています。
なお実際現地を歩いてみたところ、あまりにも細い路地、というか地図上では道としてすら書かれていない、家と家の間の通路のようなところも登場していることが分かりました。そのような路地は通常部外者が立ち入ることはほとんど無いであろう場所ですので、うさドロの聖地巡礼目的で訪れる人が増えるという状況は好ましくないと考えられます。ですので、写真の公開はしますが、このページでは場所は伏せさせていただこうと思います。それに伴い、写真に写っている場所を特定する手がかりとなりうる表示の類は一部加工してあります。ご了承ください。
さらに店内なので写真の公開はしませんが、この場所のすぐ近くにあるスーパーは、6話で大吉とりんがシリアルとかを買ってたスーパーの内装モデルになっていました。売り場やレジの風景はもちろん、売り場の配置やモノによっては陳列の順番までほぼ完全再現されてるというとんでもない状況w そんなところまで綿密にロケハンせんでも、というぐらいの忠実さでした。この作品、ロケハンには相当な気合いが入って居るみたいですね。なお今回探訪した都内の景色は探訪者仲間の坊主さんが特定してくださいました。ありがとうございます。
東京都内の地点3箇所目は西東京市にある東伏見稲荷神社。その名の通り京都にある伏見稲荷神社を分祀したお社で、関東地方の稲荷神信者たちの請願を受けて昭和4年に創建されたそうです。神社としては歴史が浅い方なのかも。作中では8話で登場。大吉、りん、コウキが盆踊りの案内を見ていた神社のモデルとして使われました。
さらにもう一つ、5話などで大吉とりんの母親・正子さんが会うときに使ったファミレスも都内でした。国分寺市にあるジョナサン東恋ヶ窪店がモデルです。特定されたながわらびさんによると、店内の様子は違っていたそうです。
更新履歴
初回記入:2011.07.18
第6話登場の都内カットを追加:2011.08.12
名古屋2回目探訪分追加:2011.08.28
名古屋3回目探訪分、東伏見稲荷、ジョナサン東恋ヶ窪店の写真を追加、コメント加筆修正の上配置順変更:2011.12.14